都議会報道ページへのボタン
トップ>都議会報道  10/03/16

築地移転予定地の汚染 都の実験中間報告は”欠陥” 共産党 吉田都議が予算委で追及

予算特別委員会。右側に吉田都議、左側に石原知事 東京都は10日、1月下旬から始めた築地市場(中央区)の移転予定地である江東区豊洲地区の汚染物質処理実験について、「確実に汚染物質を無害化できることが実証された」とする中間報告を発表しました。あたかも豊洲移転の「安全宣言」です。ところが、この報告は実験の基本、実験前の土壌サンプルデータの汚染濃度(初期値)を示さない”欠陥報告”だったことが、都議会予算特別委員会(11日)で明らかになりました。
 都の「中間報告」は「洗浄処理及び中温加熱処理により、汚染物質が環境基準以下になったことが確認された」から、「無害化できることが実証された」と強調。ところが示されたデータは、汚染処理後のものばかり。実験前のサンプルの汚染データは示されず、08年の調査データと実験結果を対比させたのです。これでは、環境基準の4万3000倍のベンゼン汚染が「無害化」できたといわれても比較できず、もともと汚染濃度が低いサンプルだった可能性を疑われてもしかたがありません。
  日本共産党の吉田信夫都議が、それを指摘すると、都中央卸売市場の岡田至市場長からは驚くべき答弁が返ってきました。再現してみると―。
  市場長 実験が始まる前のデータは取ってございます。今回のところ、まだ出してございません。それは、つまり、初期値と最初のところでとった数値が二つあって、―略―どういう関係になるのかということについて現在、専門家に確認している―略―もし昨日の段階で、私どもがそのデータを出していたとして、みなさまや都民、マスコミのみなさま方から、この数字の差は何だといわれたとき、答えられませんでした。
  この後、吉田都議に再びこの問題を追及された市場長が、言い訳に追われます。そして吉田都議は、こう指摘しました。
  吉田都議 今の話だと、サンプルに使われた(土壌の)初期値は4万3000倍じゃなかったということでしょ。不都合だから出せなかった。そのことをもって安全性が確認された、実証実験の有効性が確認されたなどということは、とうてい結論として出てこないはず。これで信用せよなんていうこと自体、おかしな話じゃありませんか。
  さらに吉田氏は「初期値も示さないで『無害化できると実証できた』とするのは都民を欺くものではないか」と石原知事を追及。知事は「初期値は当然分かってやっている。初期値が高い所をボーリングしてやっているんですから」と、08年調査と初期値とを混同して答弁。都側は結局、「環境基準の4万3000倍の土壌汚染を基準以下にした」という発表の根拠は示せなかったのです。
  都は、築地市場移転予定地の江東区豊洲地区の用地購入費など1280億円を新年度予算案に計上し、共産党や民主党が、これに反対しています。
  都は高濃度汚染の土地購入に先立ち、急きょ技術会議が定めた技術・工法を適用して無害化が可能であることを確認するとして、1月下旬から実験を実施。都は、この議会に間に合わすかのように、わずか1カ月余で中間報告を公表。しかし初期値の問題のほかにも当初、公表予定の微生物処理や地下水浄化など11カ所のデータは、実験工程の遅れを理由に公表しないなど、ずさんなものになっています。 (写真は11日の予算特別委員会。右側が吉田都議、左側が石原知事ら都側)

予算削除の修正案提出へ

  10年度予算案をめぐっては、日本共産党は、土地購入など移転関連予算を削除する修正案の提出を表明。民主党も同様の方向です。26日の予算特別委員会と30日の最終本会議で採決が予定され、注目されます。