都議会報道ページへのボタン

トップ>カテゴリー>09都議選|09.07.02

09都議選 争点を追う 希望者が入れる都営住宅の建設を

新規建設ゼロ 応募倍率28倍に 住宅格差を広げた石原都政

都営住宅跡地に建った高層マンション 石原知事は就任以来、公営住宅政策を後退させ、都民への住宅提供を民間市場任せにする政策を進めてきました。都営住宅をめぐっても、家賃値上げや住民追い出しが進められています。都民の住まいをめぐり都議選で何が問われるのか、都営住宅の新規建設を求める都民の声から探ります。  「30年申し込んでも都営住宅に入れない」
  中野区に住む増田栄子さん(72)は4月、通りかかった区役所前での街頭相談で、共産党の植木こうじ都議に都営住宅入居の実情を訴えました。
  増田さんが住むアパートは8畳間に台所の1K、家賃は82000円です。年金ぐらしになってから、家賃負担が重く生活にのしかかっています。増田さんは、毎年都営住宅に申し込みながら、アルバイトの賃金で家賃を支払ってきましたが、一人暮らしで、先のことを考えると不安でいっぱい。
  「どうして自分だけが入居できないのか」と恨むこともあったと言います。石原都政が、都営住宅を新規に建てていないことを増田さんは知りませんでした。今度の都議選では都営住宅の新設を求めてきた共産党の植木さんへの支持を初めて知り合いに頼みました。 (写真は都営住宅跡地に建つ高層マンションを見学する都生連の人たち)

募集戸数は3分の1に

  杉並区に住む佐々木真岳さん(41)も都営住宅への入居を希望しています。
  6畳一間共同トイレのアパートに妻(25)と二人暮らしで、来年には初めての子どもが生まれます。出産を契機に、都営住宅入居を望んでいますが、都内在住が2年8カ月で、ポイント方式の要件が3年以上の居住となっているため、申し込むことができません。佐々木さんは「公募要件を広くしてほしい。子どもを育てるのに最低2Kはほしいと思っているが、民間の家賃は高い」と訴えます。
  こうした事態が生まれているのは、石原都政が都営住宅をつくってこなかったためです。この間、鈴木都政で平均12・5倍、青島都政で平均12・3倍だった都営住宅の応募倍率は、石原都政10年の平均では28倍にはね上がりました(グラフ)。
 
 全国の応募倍率の平均は9・7倍で、東京の倍率は全国一。都民の都営住宅入居への願いは切実です。
  07年12月の都議会一般質問で植木こうじ都議は、都営住宅の募集戸数は石原都政のもとで3分の1に減らされていることを批判し、都営住宅を建設する財源も土地もあることを示して新規建設を求め、建て替え団地の空室への入居、狭い間取りの改善などを求めました。
  しかし石原知事は、「都内の住宅の数は世帯数を一割以上上回っており、居住水準も確実に改善している」(08年12月都議会本会議)と、都民の実態を見ない答弁をくり返し都営住宅増設の願いに背を向けてきました。
  入居対象も単身者は60歳以上であることとして若者を排除し、ファミリー世帯は期限付き入居など、都民の実態とはかけ離れています。石原都政を支える自民・民主・公明の与党も、都営住宅の新規建設は求めず、都営住宅の入居基準を狭くする都の姿勢に追随してきました。
  都の住宅政策を変え、新規建設を進めさせることが、今度の都議選の重要な焦点の一つです。共産党都議団は、若者や高齢者、ファミリー向けの都営住宅を毎年1000戸新築すること、応募しても落選している人や若者への家賃助成などの公約を打ち出しています。
  「東京都生活と健康を守る会連合会」(須山利夫会長)は5月26日、「都営住宅に関する重点要求」を提出。各区市の「守る会」が、入居を希望する人の実例を示して要望しました。
  大田区の守る会のメンバーは、都営住宅に一日も早く入りたいと訴える、片山ひさ子さん(76・仮名)の手紙を読み上げました。
  片山さんの家はすきま風が入って寒く、都営住宅の空き家募集で当選し空室が出るのを14カ月待っていましたが、要請した数日後、入居できる見通しがつきました。
  市場任せの住宅政策が続くなか、都営住宅に居住する人たちも切実な要求を抱えています。
共産党都議団は13日、都営住宅の新規建設再開やファミリー世帯も入れる間取りの充実、使用承継の制限見直し、などを都に要請。国が進める公営住宅法改悪で、家賃の値上げや、収入基準見直しによる住民追い出しがねらわれるなか、都営住宅ではこうしたことを行わないことも求めました。公営住宅法改悪にともなう家賃値上げは、都議団が繰り返し要望するなかで、今年度からの実施が1年延期されました。

都営住宅跡地に高級マンションも

  石原都政は、都営住宅の総戸数抑制という方針を取り、都営住宅用地の民間活用も進めました。 建て替え対象になると修繕も行わず、新たな入居をあっせんしないため空き室だらけになっています。北青山3丁目団地は建て替え対象になって約10年、かつて450人いた居住者は、都の転居のあっせんで、今では200以上が空き室です。団地自治会役員の男性は、「築50年、雨漏りがないというだけで建物はあちこち傷んでいる。出ていくのを待たれているようだ」と語ります。
  この団地から約1㌔㍍の南青山1丁目住宅は、民間不動産会社を入れた「建て替えプロジェクト」の第一弾として、都営住宅の敷地を三井不動産に貸し、46階建ての高層、超高家賃のマンションを建てました。 その後も、宮下アパート(渋谷区)は近隣の都市再生のために廃止・撤去するなど、都民のための住宅政策を縮小し、民間不動産会社に任せる政策が続いています。

住宅の広さは全国最低

  東京の住居環境の悪さは政府の統計(09統計に見る都道府県の姿―総務省)からもうかがえます。最低の居住に必要な面積を世帯人数ごとに定める「最低居住水準」の広さを満たしている住宅数は、全都道府県中47位で都内全世帯の11%(2003年)。約60万世帯が基準より狭い住宅での暮らしを余儀なくされていると見られます。
  しかも全国一の高家賃で、1畳あたり9296円。持ち家比率47位、借家比率1位。持ち家でも借家でも住宅の広さは、ともに全国最低です。
  日本共産党都議団が求めている都営住宅の1000戸建設は125億円あれば可能です。用地もあり、都がやる気になればすぐにでも建設は始められます。
  住まいは基本的な人権です。都議団は失業者に対する都営住宅の提供、分譲マンションの耐震補強への対策など幅広く住宅政策を提案し、都民の運動と結んで、都民の住宅要求を実現させようとしています。


(「東京民報」09年6月7日号に掲載)