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トップ>カテゴリー>福祉・医療 |08/10/05

小田急系認証保育園 架空職員を届け補助金を不正受給 

  世田谷区にある都の認証保育所「小田急ムック成城園」が、開設時(06年10月)に架空の職員を届け出るなどして、06年度の世田谷区と都の補助金計2750万円を不正に受給していた疑いがあることが9月29日、日本共産党都議団の調査で分かりました。同園は小田急電鉄の子会社「小田急ライフアソシエ」(本社・川崎市)が運営しています。
  共産党都議団は記者会見で、ライフアソシエが都と区に提出した開設申請書類で、正規職員として届けた8人のうち、園長代理を含む6人は同園で働いた実態はなく「架空申請」の疑いがあると指摘。月によって職員数の変動はあるものの、開設から半年間にわたり、虚偽申請していた疑いがあるとしています。
  また、同園は開設時から定員(43人)いっぱいの子どもたちが入園し、保育職員の不足を補うため、同社が園と併設して運営している世田谷区の委託事業職員を、正規職員として登録していないのに、旧姓を使わせて0歳児の担任をさせていたことも指摘しました。
  同園の元職員が取材に応じ、開設時について「資格があって経験のある保育士は私ともう1人しかいなかった」「人手が足りず、おもちゃを誤飲し、チアノーゼになる事故も起きた」と証言しています。
  ライフアソシエは、開設申請書類に記載した保育職員のなかに、勤務実態がない職員が含まれていたことを認め、「補助金の返還も誠意をもって対応したい」としています。
  吉田信夫幹事長は会見で「虚偽申請と不正受給は厳しく問われるべきだ」とのべました。同都議団は会見に先立ち、都に厳正な調査と対応を要請。都は「不適切な事例があれば厳正に対処する。現在、調査している」と答えました。  「都に申請する書面に登録されていた有資格者は、私たちが存じ上げていない方々。見たことも聞いたこともない名前」。29日、日本共産党都議団が明らかにした小田急ライフアソシエの認証保育所「小田急ムック成城園」(世田谷区)の虚偽申請と補助金不正受給問題で、元職員の女性が証言しました。元職員は、同園が開園した2006年10月から働いていました。証言内容を紹介します。

職員全員が 涙の訴え

 採用された職員のなかに、有資格者で保育経験があるのは1人しかおらず、保育ができる環境にはありませんでした。ほとんど“ど素人”の状態で開園した状態でした。有資格で経験がある職員は、子どもから目を離せないので、休憩もとれずトイレにもいけませんでした。
過剰勤務で職員はつぎつぎ体調を崩し、本社の人に園に来てもらい「このような形で保育園を開園させるのは無謀だ」「これからどうやってこの園をやっていけばいいのか」と職員全員が泣いて訴えました。

事故が2回も

 紙芝居がない、ミルクもほ乳瓶も用意されていない、おもちゃも足りないような状況で、職員の自宅からおもちゃを持ち寄りました。紙芝居は図書館から借りてくるよう指示されました。上の年齢の二つのクラスは、職員が不足したために合同保育をせざるをえない状況でした。
 資格のないものだけで保育している最中に、エレベーターのドアに子どもの指が挟まれたり、職員が不足して合同保育を行う夕方の時間帯に、0歳児クラスの赤ちゃんが、大きいクラスの方にあるおもちゃを誤飲した事故も2回ありました。

都の監査は   書面だけ

  都の監査は、あらかじめ日程が指定されているうえ、書面を見るだけなので、監査が近づいてくると監査専用の職員が各園を回り、監査を通すための書類づくりをしていました。
職員不足でできなかった指導計画や保育日誌を、さかのぼって書くように命ぜられました。見本を見せられて適当に書いてくれと言われました。

基準、監査の  改善を

 東京都の認証というお墨付きがあれば、保護者は安心と思って大事な子どもの命を預けます。認証の基準のあり方、監査・指導のあり方を抜本的に改善しなければ、今後同じようなことが繰り返されると思います。
 認証保育の増設による待機児童の軽減ということと背中合わせで、こういう問題が浮上してくるのではないかと、大きな懸念をもっています。

【ことば】認証保育所

 都独自の制度。基準面積、正規職員の割合など認可保育所の基準を緩和。保育料の上限はあるが各施設が自由に設定できる。営利企業が参入できるA型(駅前基本型)とB型(小規模・家庭的保育所)の2種類がある。高額な保育料、職員待遇の悪さなど保育の質の低下が問題になっている。