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都議会 漫画規制条例を可決 民、自、公が賛成 共産党「創作活動萎縮させる」

 東京都議会は15日、漫画・アニメーションの性描写を規制する青少年健全育成条例改定案を民主、自民、公明の賛成多数で可決しました。日本共産党、生活者ネット・みらいは反対しました。来年7月までに施行されます。
  もともと同条例は「性的感情を刺激する」図書類を青少年(18歳未満)に販売、貸与することなどを禁止し、売り場を分けるなどの規制を定めており、青少年の健全育成と「表現・出版の自由」を両立させるため、出版団体の自主規制と都による指定の二本立ての制度。
  ところが都は今回、出版社団体との相談抜きで議会開会8日前に、規制の範囲を広げる改定案を発表。性描写が過激でなくても性犯罪や近親者間の性行為の描写・表現によって「読み手である青少年の抵抗感を弱めてしまうおそれがある」と、都が判定した漫画・アニメは、新たに規制の対象とされます。日本共産党の古館和憲都議は反対討論で、6月議会で民主党も反対して否決された案と本質的に変わらないばかりか、新たな基準で「恣意(しい)的な規制が行われ、創作活動を萎縮させる危険がきわめて大きくなった」と批判しました。
  その上で、図書の販売などに一定のルールを設けることは必要だが、「自主規制を第一とし、行政による規制は最小限にすべきだ」と強調。出版と販売の現場では、月に2千万冊に及ぶ雑誌にシール止めをするなど、自主規制の効果を上げる努力が積み重ねられているのに、都がとった態度は「こうした団体などの意見を無視した、行政による暴走だ」とし、「都が全力をあげるべきは、青少年が性的自己決定能力や情報判断・活用力を身につけられるようにすることだ」と主張しました。
  また、民主、自民、公明各党が求めた「慎重な運用を求める」などとする付帯決議は、条文の危険性は解消できず、法的拘束力も効果もないと指摘しました。

反対の請願・陳情 若者中心に1千件

  改定案に対しては、漫画家や作家団体、出版団体、法曹界などから「表現が萎縮させられる」など反対の声があがり、改定案に反対する請願・陳情は若者たちを中心に一千件近くにのぼりました。
  中学校のPTA団体からは「子どもたちをめぐる問題に対し、すべてを法や行政に依存するのではなく…、規制の前に人としてモラルや道徳が問われるべきです」との意見表明が発表されるなど、PTA関係者からも、疑問や反対の声があがっています。

東京アニメフェア  10社がボイコット
  講談社、小学館、集英社、角川書店など漫画出版大手10社は10日、「漫画家・アニメ制作者たちに対する(都の)姿勢に強い不信感を抱かざるをえません」との緊急声明を発表。来年3月開催予定の「東京国際アニメフェア」(実行委員長・石原慎太郎知事)への協力・参加を拒否しました。
                      (東京民報2010年12月26日号に掲載