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トップ>トピックス>都議会報道 |08.08.24

海外視察 1人1回167万円 この豪華ぶり!!

 多額の税金を使って海外視察を繰り返す都議に厳しい目が向けられるなか、都議会オリンピック招致特別委員会は9月、約700万円をかけて中国の北京パラリンピックの視察に出かける計画です。一方、01年度から07年度までの7年間に各会派が行った海外視察には、都議69人が参加し、使った経費は合計約1億1500万円(都議1人1回平均約167万円)にものぼります(表参照)。都民からは「税金の無駄遣いだ」という声が聞こえてきます。都議の海外視察は、いま本当に必要なのでしょうか―。

過去に例ない

  オリンピック招致特別委員会の計画は、北京五輪・パラリンピックの「実地調査」の名目で、9月6―8日に海外視察するもので、都議10人、都職員3人を派遣するものです。
自民、民主、公明各党の都議が参加する予定です。日本共産党は「都議会委員会の海外視察は過去に例がない。複数の会派が東京五輪招致に反対しており、議会として招致推進するような視察は控えるべき」として視察に反対し、不参加を表明。生活者ネットは「視察そのものには反対しないが、ネットとしては辞退したい」としています。

中止の視察を復活

  都議会の海外視察をめぐっては、都民から「まるで豪華大名旅行だ」との批判が強まり、1997年からの4年間、いったん中止した経緯があります。ところが、2001年に自民、民主、公明、生活者ネットによって、それまでの“超党派方式”から会派ごとに実施する方式に変えて復活させられました。
 各党の海外視察の内容を見ると、ほとんどが観光旅行的な要素が強いものです。例えば、03年に自民都議6人が訪問したイタリア・ミラノでは、典型的な観光コースをまわっていたことが、テレビ報道で告発されました。
 02年に「カジノ視察」として自民都議6人はモンテカルロに、民主都議3人はラスベガスにそれぞれ2泊しました。どちらの党の報告書も、現地に行かなくても日本で調べれば分かるような程度のことしか書かれていませんでした。
 公明都議3人が02年に訪れたコペンハーゲン(デンマーク)とミュンヘン(ドイツ)では、通訳もつけずに公共施設を「視察」し、観光地をまわっただけと見られています。

最高級ホテル

  費用についても、最高級ランクの5つ星ホテルに宿泊し、最高級レストランでフルコースを取るなどの超豪華ぶりが目立ちます。通訳やマイクロバスのチャーターの費用なども、異常に高額です。さらに、都議に衣服やスーツケースなどを購入するための「支度金」が1人5万3900円を限度に(過去3年間、海外出張のない議員)支給されているのです。
 視察の内容や費用の内訳を見た、都内旅行社に勤務する太田正一さん(39)は「視察先の費用は、庶民の旅行に比べると考えられないほど高額ですね。視察先は観光地が目立つし、一カ所の視察時間も、ずいぶんと短いですね。視察の結果が都政にきちんと生かされていればいいのですが…」と首をかしげます。 日本共産党は都議会で唯一、海外視察の抜本的な見直しをくり返し要求し、1993年以降は参加していません。
 同党は、05年5月の記者会見で、海外視察を行う場合の基準として①たんに見聞を広げるというものでなく、都民施策を充実するための意義がある②視察の効果が十分あがるような計画になっている③可能な限り経費を節約する―という3点をあげ、それまで各党が行ってきた海外視察について「税金を使ってまで実施する意義は、ほとんどない」と批判。海外視察の中止や支度金の廃止を提案しました。
 そうしたなか、前回都議選(05年6月)では、税金の無駄遣いが大きな争点となり、都議選後のマスコミの海外視察のアンケートに対し、新都議の15%が「必要ない」、40%が「必要だが、額など見直すべき」と答えました。

都議選後も22人

 しかし都議選後も、自民、民主、公明各都議の計22人が、約4600万円をかけて海外視察を行っています。
 自民党の都議5人は昨年、観光振興や公共交通の施策調査の名目で1141万円(1人平均228万円)をかけ、カイロ(エジプト)やマドリード(スペイン)、パリ(フランス)などの各都市を訪問し、観光施設などを「視察」。
 民主党も都議4人が新エネルギー政策の調査を名目に、1078万円(同270万円)をかけてレイキャビク(アイスランド)やヴァンター(フィンランド)ブルージュ(ベルギー)などの各都市を訪問し、内陸氷河や中世の町並みなどを「視察」しています。

批判どこ吹く風

  民主都議4人が行った06年のブラジル・イグアスの滝の「視察」は、「1人191万円以上も使ったのに、海外観光じゃないか」と大きな批判を浴びました。
 民主党は、こうした批判に口をつぐんだまま、07年2月の都議会予算特別委員会で浜渦武生参与(前副知事)の海外出張を「公費による観光ではないか」と“追及”。ところが、石原知事に「観光ルートといえば、民主党も貴重な知見のため、南米のイグアスの滝までいらっしゃったじゃないですか」と“反撃”され、返す言葉がありませんでした。
 こうした苦い経験もあるのに、民主党は今年もまた、アラブ首長国連邦のドバイ、イタリアのベネチア、ドイツのミュンヘンの海外視察を10月に計画しています。批判どこ吹く風です。

「物見遊山だ」

 東京都生活と健康を守る会連合会の須山利夫会長は、「物見遊山と言われても仕方がない海外視察を繰り返す都議たちには、一円を切り詰める都民の苦しい暮らしは分らないだろう。石原都政の無駄遣いをただすことなど、できようはずもない」と、厳しく批判しています。