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カテゴリー>都民運動 | 08.11.09

都税事務所が「偽装請負」 東京労働局が是正指導 都「納得しがたい」

 東京都税事務所が請負業者に発注したコピー業務をめぐり、委託した人材派遣会社の派遣労労働に対し都職員が直接、業務を指示したり、出退勤を管理したことが職業安定法に違反する「偽装請負」にあたるとして、東京労働局から是正指導を受けていたことが10月30日、明らかになりました。都議会財政委員会で、日本共産党の曽根はじめ都議が質問で取り上げるとともに、古館和憲、清水ひで子、小竹ひろ子の各都議が記者会見をしました。  この問題は、派遣労働者の告発を受けた日本共産党都議団が、3月都議会で追及しましたが、都側は「指摘(偽装請負)のような事実はない」と否定していました。
 都などによると、今年2―4月、個人事業税の課税に必要な書類をコピーする作業を、人材派遣会社「東芝ビジネスアンドライフサービス」(TBLS、本社・川崎市)に、25の都税事務所のうち17事業所で委託。作業は、派遣労働者が税務署などに出向いて行っていました。
 職業安定法では、業務を委託する請負契約の場合、派遣労働者に対する指示や労務管理については、委託された企業が行い、発注元である都の職員はできません。ところが、都は派遣労働者に対し、直接業務の指示や退勤、休憩などの時間管理を行っていました。

都「声をかけただけ」

 東京労働局は、9月29日付で、都に是正指導しました。一方、都主税局は都議会委の曽根都議の質疑などで、コピーサイズについて質問されたので都の職員が回答したことや、終業時間、休憩時間の「声かけ」をしたことは認めました。しかし、指導については「現場の実態を踏まえないあまりにも形式的な法解釈であり、納得しがたい」との不満を表明(主税局=10月30日)。対応も、業務委託契約から「労働者の派遣」に切り替える方向を示したにすぎず、反省はありませんでした。   委員会質疑でも、「日常会話」のことで「偽装請負」に当たるとは思わなかったなどとし、「都民の誤解を受けないよう職員に徹底していきたい」(熊野順祥主税局長)と答弁しています。

都職員から「何時まで残業できるか」

 しかし、偽装請負の実態は、「誤解」や「日常会話」で済ませられる問題でないことは、本紙取材に応じた、当時派遣されていた労働者の男性(33)の証言で明らかになっています。
男性は、当時の作業について「都税事務所の職員から、コピーする書類や箱詰めの仕方、コピー機の操作方法を指示されたり、『きょうはコピー枚数が多いので、何時まで残業できるか』と聞かれた。TBLSからの業務指示は受けていない」と話しています。
 また、TBLSの社員が作業現場に現れるのは、箱詰めされたコピーの書類を引き取りにくるときだけで、そのときも、派遣労働者への指示はなかったとのべました。東京労働局も、作業そのものが都職員の直接指示がないと成り立たないものであり、根幹にかかわる業務指示にあたることを認めています。

「二重派遣」も証言

 さらに、男性は都税事務所に派遣されたTBLSの労働者は、実際は「フジスタッフ」(本社・千代田区)など別の人材派遣会社の登録社員で、これも職業安定法に違反する「二重派遣」状態だったことも証言しています。
 この男性は「都は、直接雇用にしてほしい」と訴えています。

共産党都議団が是正を申し入れ

 日本共産党都議団は10月30日、都総務局と主税局に対し、「東京都の労働関連法違反及びアウトソーシングの是正に関する申し入れ」を行いました。申し入れは①東京労働局の指導に基づき、都税事務所の違法行為を是正し、都の責任で直接雇用する②「偽装請負」などの違反について、全庁的な調査・是正する③民営化、業務委託、非正規雇用の拡大路線を改める―の3項目です。

背景に石原都政の「構造改革」路線

 共産党の曽根はじめ都議は「東京都による偽装請負の摘発は、おそらく初めてで、都民や労働者の利益を守り、法令を順守すべき地方自治体として許されません。石原都政が自民、民主、公明各党とともに職員定数をひたすら削減し、自治体本来の仕事まで放棄して民営化や業務委託、非正規雇用化を拡大する『構造改革』路線を進めてきた結果です。自治体本来の姿を取り戻すために力を尽くしたい」と話しています。