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多摩26市の小中学校普通教室 クーラー設置1割 冷房化にも多摩格差

市部の小中学校普通教室のクーラー設置状況  10月を迎えぐっと秋めいてきましたが、夏休み明けはクーラーのない教室で体調を崩す児童・生徒が相次ぎました。すべての普通教室にクーラーが設置された小中学校(区市町村立)が95%を超える23区に対し、市部では1割にとどまっています。クーラーの多摩格差は、子どもたちの健康を脅かしています。
 9月25日は7―8人が来室。ほぼ毎日気持ち悪いと5―6人。鼻血2―3人来室。体育の授業後は、来室者がどっと押し寄せるため人数の把握ができないほど―。
  東大和市のある市立小学校の保健室の様子です。同市では昨年から小学校、今年から中学校が夏休みを1週間短縮し、2学期の始業が25日に早まりました。
 連日の猛暑に、扇風機がフル稼働しても、教室の温度が34度前後に上がり、3・4階部分では37度にも。熱中症など健康の心配から授業をカットする中学校もありました。屋上に散水したり、集中暖房機で風を送る工夫をする学校もありましたが、「ほとんど効果はない」というのが実態のようです。

都・国の補助求める

 東京民報は、都内市町村(島部を除く)の小中学校普通教室へのクーラー設置状況について、各自治体の教育委員会に聞き取り調査しました。設置率は市部で10・6%、町村部は61・1%でした。設置校なしが12市1町1村、一部設置は11市に対し、100%設置は3市2町にとどまっています(表参照)。
 100%設置済みの昭島、福生、羽村3市と瑞穂町は米軍横田基地の騒音対策で、国からの補助(10分の9)を活用。立川市も同様の補助を使い、3校に設置しました。町田市は米軍厚木基地の騒音対策の補助を使い3校に設置し、今後も毎年1校ずつ、計15校を計画しています。そのほか一部で導入している市では、大規模改修や改築時に設置する場合が多く、道路の騒音が激しい地域にある学校や受験対策で中学3年生が入る教室に限って設置する市もありました。
  設置が進んでいない自治体でも、担当者は「必要性は感じている」と口をそろえます。しかし、ほとんどが「(音楽室や図書室などの)特別教室を優先している」「耐震改修工事を優先している」などと弁明し、冷房化にまで予算が回らないのが現状です。その中でも、校舎の耐震化を進めてきた狛江市の矢野ゆたか市長は、9月議会で「異常な暑さを踏まえ、冷房化の優先度を高める」との考えを示しています。
  クーラー設置への補助制度は都にはなく、国は「安心安全な学校づくり交付金」(3分の1)の補助対象にしているだけです。特別教室の冷房化を年度計画で進める市の担当者は、「都や国の補助が拡充されれば、違ってくると思う」と話しています。

共産党 市を動かす

 暑さで体調を崩す児童、生徒が続出する中、PTAや学校関係者からも、クーラー設置を求める声が強まっています。
 東大和市では、共産党市議団が作成した学校の実態を知らせ全校にクーラー設置を求めるビラをスーパー前で配布したところ、「地球温暖化のつけを、子どもたちにしわ寄せしてはいけない」という賛同の声が寄せられ、反響を呼んでいます。9月10日の市議会本会議では、尾崎りいち市議が市内小中学校の視察を踏まえ、リース契約でクーラーを導入した江東区の事例も示して追及。尾又正則市長は「学校現場の状況を再度聞いて、ふさわしい対応をしていきたい」と答弁。
 三鷹市では、日本共産党武蔵野・三鷹地区委員会と市議団(4人)が呼びかけた全校にクーラー設置を市に求める署名が、注目を集めています。消極的だった市側も9月1日の市議会で、大城みゆき市議の質問に「設置は真剣に考える今後の検討課題」(貝ノ瀬滋教育長)という答弁をせざるを得なくなりました。
 共産党都議団は8日、石原慎太郎知事と大原正行教育長に対し、多摩地域への財政支援の拡充・強化を申し入れています。

23区で残る世田谷、 杉並 来年完了へ

  23区のうち未設置校を残しているのは世田谷、杉並の2区。世田谷区は、小中学校95校のうち小学校3校が残っていましたが、今年度中に完了。杉並区では、「がまんも教育のうち」としてクーラー設置に否定的だった山田宏前区長からかわった田中良区長(7月の区長選で当選)が方針転換。開会中の区議会定例会に未設置校(小学校29校、中学校19校)のうち小学校2校、中学校18校分の第1期工事費など2億2552万円の補正予算を計上。残る学校も来年夏休みまでに設置を完了する予定です。
 同区ではPTAなどからクーラー設置の要望が出され、共産党区議団はここ10年来、ほぼ議会ごとにクーラー設置を要望してきました。8月には田中区長に申し入れました。

東京民報2010年10月3日号に掲載