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小学生のジュニア俳句教室 芭蕉記念館

小さな心に響いた五・七・五 芭蕉記念館で来年20年に

↑最高点の作品

 俳句の殿堂・芭蕉記念館(江東区)で始まった小学生以下の「ジュニア俳句教室」が来年で20年の節目の年を迎えます。子どもたちが心に響いた感動をどんな風に表現し、大人顔負けの感性豊かな俳句がどのように生まれるのか。子どもの句会をのぞいてみました。(松橋隆司)

 芭蕉記念館の横浜文孝次長は、同館在職30年。「子どもの句会は、小学校のゆとり教育が始まって、土曜日が休みになってからです。それからほぼ20年も続いている例は、ほかに聞いたことがないので、珍しいことなのでは」と話します。
 毎月1回開く子どもの句会の会場は、同館2階の30畳敷きの大広間。10月の句会には、学童・園児17人が参加しました。
 同館職員の中村美樹子、秋元香苗恵の両氏、地元のボランティア2人が先生役。同館の実習生、子どもに付き添ってきた若いお母さんたちも同席しました。

妹にかんざしがわりの野菊かな

 先生役の中村さんは「この俳句は皆さんの先輩が作った句」と紹介し、この句をもとに、俳句を作るには、『3つの約束』があると話します。・五・七・五の17字でリズムよくまとめる・季語を入れる・俳句は短い詩。心に強く感じたこと(感動)を句にする―の3点を説明。秋の季語には、どんなものがあるかを丁寧に紹介したあと、「では、お庭で季語を探し、俳句を作ってみましょう」と呼びかけました。
 庭の木々には、俳句の短冊や名札がつけられています。子どもらは、庭を歩くうち、しだいに真剣な表情に。ボランティアの男性(44)らに話しかけ、ヒントをもらう子も。
 制限された30分ほどの間に句を作り、大広間に戻って、短冊2枚に自作の句を書き込みます。集められた句は全部清書されて子どもたちに配られます。今度は、子どもたちが選者になり、自作以外のすべての句の中から3つの句を選句用紙に書き込んで提出します。
 中村さんは、選句用紙をもとに選者の子どもの名前と句を紹介。読み上げられた作者は、「○○です」と誇らしく名乗ります。

  • 初投句で最高点

    この日作られた句の一部

     この日に作られたいくつかの句を紹介します。今回最高の9点を獲得したのは
    、ののさんの句

    もみじさんみんなパーだねあいこでしょ


     ののさんは5歳。なんと今回初投句です。最高点と紹介され、参加者の大きな拍手に包まれました。小さな体にうれしさがあふれました。
     この結果について中村さんは言います。「そこが子どもの句会の面白いところです。初めて句会に参加して高得点を取ることもあるのです」。低学年の時は、すんなり俳句がつくれたのに、高学年になると完成度の高さを求めるようになるから、作るのが遅くなる傾向があるとも。
    • 季節の変化感じ
     めぐみさん(40)は、5年生と4年生の2人の娘さんのお母さん。句会に参加して2年目です。参加してよかったことは「季語を習うので、子どもたちが季節の変化を感じるようになりました。季節の果物などを出すと、親子の話題になります。季節を感じるというのは、大事なことですよね」と感想を。「ほかの子の俳句を聞いていて、そういう表現もあるのだと、学んでいるようです。先生たちが上手に褒めてくれるので、句会を子どもといっしょに楽しんでいます」と話しています。
     ボランティアの男性は、俳句教育が熱心な同館近くの八名川小学校元PTA会長。建築設計が仕事です。2年ほど前、「俳句の面白さがピンときた」と、突然、俳句にはまったという人です。
     この男性はつぎの句を選句にあげました。

    皿のさけほねを取るのがめんどうくさい

                        (5年男子)

     初参加で苦労していた男の子と対話。心の中に感じていることはないのかと話しているうちに、出てきた気持ちが句になったものといいます。「きれい事でなくともいい。心を叫べという気持ちでヒントを出している」と男性。毎月の子どもの句会を楽しみにしています。

    子ども句会の様子=江東区・芭蕉記念館で


(東京民報2011年10月23日号に掲載)

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